日本の釣り人口は「超少子高齢化」。しかも、約80%が男性。
いよいよ今年もあと一日を残すのみ。年を重ねると時が進むのが早く感じられ、本当にあっという間にお正月がやってきます。
釣り人の開幕は「フィッシングショー」ではないでしょうか?年末の納竿で締め、年明け早々の初釣りを済ませ、横浜と大阪のフィッシングショーで新製品等の情報をチェックする。 釣り好きの主だった行事で、この三つは恒例化しているのではないでしょうか。
40数年前、大阪の朝潮橋での釣具見本市へ初めて行き、矢口孝雄先生に「釣キチ三平色紙」にサインをしてもらい、ダンのステッカーとがまかつ針の試供品を頂いたのを今でも鮮明に覚えています。釣具の進化と共に釣具見本市も進歩してゆき、現在の素晴らしいショーとしてのスタイルを確立してきました。この会場に来ると、日本の釣具の世界は明るく感じますが、一歩引いて冷めた目で釣具市場を分析しますと、このブログでも何度も取り上げますが、釣り人口の減少と高齢化の問題が鮮明に浮き彫りされます。
日本全体の社会問題の縮図が、釣りを通して見えてきます。
1:釣り人口の減少に歯止めを!

グラフを見て頂くと良く分かると思いますが、昭和の時代から考えると半分以下に落ちているのです。かつては、3000万人を超えると言われた時代もあり、趣味の分野では優秀な釣り人口が、640万人まで落ち込んでいます。少し、回復傾向が見られた時期もありますが、冷静に分析をして現状を再認識する必要があります。
多様化しているのに、伸び率が上がらないのは何故か?この事に注視し、問題点を解明してゆかねばなりません。新たなジャンルの釣りが増え、年齢別の楽しみ方や行動パターンが準備されて釣りへの敷居が低くなり、初心者への誘導も容易なはずです。が、参加人口が50万人も減りました。
2:性・年代別構成比から問題点を探る。

少子高齢化の男性社会と、一目で解るグラフですね。40代で線引きしてしまうと、70%以上となってしまいます。20年後の数値が恐ろしい値にならない事、願っています。
問題点は10~20代の値の低さです。この数値改善が最大の課題で、釣りの未来がこの数字に凝縮されている事を再認識せねばなりません。又、働き盛りの40~50代の女性の参加率の低さは、この年代の男性が家族の休日を楽しんでいないからでは無いでしょうか?
20~30代及び60~70代の女性の参加率の値は似ていて、ファミリーフィッシングやご夫婦・カップルで楽しむ機会を設けている感じですね。これは一つの光明で、「仲良く」がキーワードとして取り上げ、釣りが持つ魅力のアピールに成るのではないでしょうか。
3:釣具市場の推移も半減。道具を売ることより、体験をサービス化せよ!

モノが溢れる現代日本の小売市場。スポーツの分野も多様化が進み、eスポーツと呼ばれる新たなジャンルが加わり、若年層の釣り離れが加速されると予測されます。
バブルが終焉し、ゴルフを始めとする高額な道具が必要な趣味としてのスポーツジャンルは、年々右肩下がりのグラフで苦戦しています。商品選択の情報と入手方法が恐ろしく溢れ、どこで何を買うのか迷ってしまい、疲れてしまいます。
楽しいはずの「趣味の買い物」が、価格や情報が先走りに頭に潜入され、その商品を何故欲しくて、何の為に購入するのかが後回しにされているような気がします。ゴルフや釣りが何故負のスパイラルから抜け出せず、若年層に普及が進まないのかを含めた、市場状況の回復の為の施策を大胆に取り組んでゆかねば、改善への道は遅れるばかりです。
体験機会をどう増やし、何故「釣り」が面白いのか、何故「釣り」が趣味として長きに渡り愛されているのか、釣りをすると「素晴らしい効果」が得られる等、やってみた感想から答えを探りながら、釣りの良さの実感を持って頂く事が道具を購入する機会増に繋がるのではないでしょうか?
2019フィッシングショーが素晴らしいモノでありますよう、期待しています。
新たな年の新たなテーマで開発される「釣具」が、釣り人の心をより豊かにし、ワクワクする製品が一つでも多く紹介される事を願っています。 今年のフィッシングショー大阪には行けなかったので、新たな年は是非ともゆっくりと見て回りたいと思っています。より多くの来場者数で、賑わう事を期待しています。
そして、2018年の釣り人口が少しでも改善していたら、非常に嬉しく思います。